福永, 俊輔
(西南学院大学学術研究所Seinan Gakuin University Academic Research Institute, 2015-06)
わが国が近代刑事再審制度を採用したのは、1880年制定にかかる治罪法においてである。治罪法は、フランス法に倣い、利益再審のみを認めた。その後、1890年制定にかかる旧々刑事訴訟法(明治刑事訴訟法)も治罪法とほぼ同様の規定を置いたが、1922年制定にかかる旧刑事訴訟法(大正刑事訴訟法)は、ドイツ法を継受し、利益再審のみならず不利益再審をも認めるに至った。しかし、戦後、日本国憲法が第39条において一事不再理を規定したことに伴い、まず応急措置 ...