抄録:
経済のグローバル化が進んでいる今日では,サプライチェーンネットワークが複雑になり,不確実性によるリスク要因が増加し,サプライチェーンを分析する重要性が次第に高まってきている。本論文の目的は,サプライチェーンに関する定量的分析の動向を,シミュレーション手法を中心に考察し,なおサプライチェーンシミュレーションモデルを構築する方法論を提案することである。本論文の構成は以下のとおりである。2章ではサプライチェーンにおける定量的分析の動向を考察する。3章ではエージェントベースシミュレーションがサプライチェーン分析への適用を論述する。4章ではエージェントベースによるサプライチェーンシミュレーションモデルを構築する際に,注意すべき点を検討し,そして5章では結論をまとめる。