抄録:
現在、多くの企業において、人事評価制度が導入されている。人事評価制度の運用内容は、企業によって異なるが、期首にその期の活動内容や目指すべき成果や目標について管理者とメンバーとが話し合い、期末に活動の振り返り、最終成果や目標達成度の評価などが行われることが多い。人事評価は、従業員の処遇や学習に影響することから、この評価を話し合う面談が、個人のその後の職務態度や行動、管理者とメンバーとの関係に及ぼす影響は大きいと考えられる。しかしながら、これまで人事評価に関わる面談が組織メンバーに与える影響については十分に検討されてこなかった。本研究では、目標管理制度のもとで、(a)仕事のタイプが、評価面談での管理者の行動に及ぼす影響、そして(b)評価面談での管理者の行動とメンバーの面談に対する満足度との関係について検討することを目的とする。