抄録:
本稿は「ドイツにおけるイタリア簿記の再生」と題する論文の後段である。前段は本誌(『商学論集』(西南学院大学),53巻3・4号)に,中段は本誌(『商学論集』(西南学院大学),54巻1号)に公表したところである。複式簿記としては,ドイツに再生されることによって,イタリア簿記は,はたして展開されたか,展開されたのはどこかについて,1570年にGamersfelder, Sebastianによって出版された印刷本『イタリアの技法に拠る二様の帳簿での簿記』を解明して,筆者なりの卑見を披瀝することにしたい。