dc.contributor.author |
土方, 久 |
ja |
dc.date.accessioned |
2014-09-02T10:40:20Z |
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dc.date.available |
2014-09-02T10:40:20Z |
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dc.date.issued |
2007-02 |
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dc.identifier.issn |
0286-3324 |
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dc.identifier.uri |
http://repository.seinan-gu.ac.jp/handle/123456789/553 |
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dc.description.abstract |
「複式簿記」については,世界に現存する最初の印刷本『算術・幾何・比および比例全書』が,1494年にPacioli, Lucaによって出版されてから,これに遅れること約4半世紀,ドイツでは最初の印刷本『新しい技術書』が,1518年にGrammateus, Henricusによって出版される。この印刷本の1編「商人の仕訳帳,商品帳および金銭帳による簿記」に,「ドイツ固有の簿記」が解説されたのである。さらに遅れること4半世紀にかけて,1531年,1546年にGottlieb, Johannによって出版された印刷本『ドイツの明解な簿記』,『簿記,二様の精巧かつ明解な簿記』にも,また,この間に,1537年にvonEllenbogen, Erhartによって出版された印刷本『プロシアの貨幣単位と重量単位に拠る簿記』にも,ドイツ固有の簿記は解説されたのである。これに対して,Pacioloによって出版される印刷本を原型とする「イタリア簿記」がドイツに移入されるのは,Pacioloによって出版されてから約半世紀も後の1549年のことである。Schweicker, Wolffgangによって出版される印刷本『複式簿記』,まさに標題自体が正鵠を得る印刷本によってである。事実,Penndorf, Balduinは表現する。「これまでの著作にイタリア人が影響を与えたにしても,わずかであるか,全く影響を与えてはいない。しかし,わずか数年後の1549年には,Pacioloの論文を完全に模範とする著作が出版される。Schweickerの著作『複式簿記』が,それである」。しかも,「Kheil, Carl Peterが,この著作を詳細に論評して指摘したのは,この著作がイタリア人に依拠するということである。Pacioloの論文は,1534年にManzoni, Domenicoによって模倣される。Schweickerは,これまた,このManzoniの著作を完全に固持する」と。ここに,「Manzoniの著作」とは,1540年に出版される印刷本,これまた,まさに標題自体が正鵠を得る印刷本『複式簿記』である。Penndorfが表現する出版年とは相違することについては,Yamey, Basil Seligは表現する。「初版は,時々,1534年であると説明されることもあるが,そのような著作の原本,写本はない。Besta, Fabioは,この著作が1540年に出版されたものと断言するだけの確固たる理由を提示する」と。したがって,出版年は1540年であるとして,ドイツに移入されるイタリア簿記の原型になったのは,正確には,Pacioloによって出版される印刷本だけではなく,これを模範とするManzoniによって出版される印刷本である。イタリア簿記としてドイツに移入されるのである。しかし,このSchweickerによって出版される印刷本は,いやしくも教科書。教科書であるにもかかわらず,誤謬があまりに多いのに加えて,残高勘定が強引に締切られたことを想起してもらいたい。特に不可解であるのは,借方の面と貸方の面を均衡しては締切られるが,スムースに締切られないことである。残高勘定に振替えられただけでは,借方の面と貸方の面の合計は一致しないのに,強引に均衡して締切られる。残高勘定の借方の面には,損益勘定に計算されるはずもない「純利益」を追加,記録することによって,借方の面と貸方の面を均衡して締切られるのである。本来,帳簿の見開きの左右対照に,日々の取引事象の金額,同額が記録して転記されるので,常時,帳簿の見開きの左側,借方の面に記録される合計と右側,貸方に記録される合計が一致するという「貸借平均原理」が保証されるはずである。貸借平均原理が保証されるかぎりでは,残高勘定に振替えられただけでも,借方の面と貸方の面の合計は一致するはずである。したがって,借方の面と貸方の面の合計が一致しないとしたら,帳簿記録の過誤,帳簿締切の過誤があるものと判断しなければならない。そうであるにもかかわらず,帳簿記録の過誤,帳簿締切の過誤が探索して訂正されるどころか,改めて残高勘定に,純利益が計算されて,翌期に繰越されては,資本金残高に加算されるともなると,まさに致命的である。残高勘定が強引に均衡して締切られることには困惑させられるのである。したがって,強引に均衡して締切られる残高勘定を眼前にしては,Schweicker自身の功績は減殺されてしまうばかりか,イタリア簿記がドイツに紹介されただけで,改訂することを迫られる印刷本の烙印すら押されかねない。事実,Penndorfは表現する。「Schweickerは,自らの著作によって,PacioloとManzoniの学説をドイツに紹介したことでは決定的な功績を得ている。彼が盲従的に模倣するのではなく,自らの改訂を創造したとするなら,彼の著作は,もちろん,非常に価値あるものになったであろう。しかし,残念ながら,彼の転用には,あまりにも誤謬が多くて,彼の事例を検算したKeilは,(企業の)決算時に全く相違する結論に到達するので,彼の著作には,『ドイツの良心,誠実』が欠如することに困惑させられる。しかし,Schweickerは,彼の後継者が再構築しうるような著作を創造したことでは強調されても,強調しすぎることはない」と。これに対して,イタリア簿記がドイツに移入される,この印刷本が出版されてから,これに遅れること約4半世紀,1570年にGamersfelder, Sebastianによって印刷本『イタリアの技法に拠る二様の帳簿での簿記』(”BuchhaltenDurch zwey Bücher nach Italianischer Art vnd Weise・・・“, Danzig.)が出版される。この標題『イタリアの技法に拠る・・・』から想像するに,イタリア簿記としてドイツに展開されるのである。したがって,Penndorfが表現するように,「Schweickerは,彼の後継者が再構築しうるような著作を創造したことでは」,Gamersfelderこそは「彼の後継者」,「再構築しうるような著作を創造した」ことになるのではなかろうか。Gamersfelderによって出版される,この印刷本には,誤謬がほとんどないのに加えて,残高勘定は借方の面と貸方の面を均衡して,スムースに締切られるからである。Penndorf自身,「Gamersfelderの著作が褒め称えられる賞賛については,本書を徹底して熟読した後に確信するところでもあるが,『ドイツで最初の有用な簿記の著作』であることこそは賛同されうる」と表現して,Gamersfelderによって出版される印刷本が高く評価されるのは,まさに「ドイツの良心,誠実」を取り戻して,イタリア簿記がドイツに再生される印刷本として評価されるからにちがいない。しかし,ドイツに再生されることによって,イタリア簿記は,どのように展開されたか,どのように発展されたか,それでは,ドイツに展開されて発展されるイタリア簿記が,今日の複式簿記に,どのような影響を与えたかとなると,全く解明されてはいない。たとえば,Gamersfelderによって出版される印刷本では,帳簿記録について,「三様の規則」(Drey Regeln)が列挙される。どのように日々の取引事象を「借方(債務者)」と「貸方(債権者)」に分解して記録するか,二重記録するための三様の規則に整理されるのである。しかも,以後,ドイツに出版される印刷本には踏襲されることになる。さらに,帳簿締切については,勘定の余白がなくなって,新しい勘定に振替えられる場合を除いては,実際に勘定が締切られるのは,企業の「決算時」。商品が完売されて,X商品,Y商品に区別する商品勘定が締切られる場合でも,企業の決算前に,都度,実際に勘定が締切られることはない。帳簿全体が更新されるために,新しい帳簿に振替えられて,翌期に繰越される場合と同様に,企業の決算時に,実際に勘定が締切られるのである。しかも,これまた,以後,ドイツに出版される印刷本には踏襲されることになる。したがって,イタリア簿記はドイツに再生されるばかりか,Gamersfelderによって大いに展開されたのではなかろうか。そこで,複式簿記としては,ドイツに再生されることによって,イタリア簿記は,はたして展開されたか,展開されたのはどこかについて,1570年にGamersfelderによって出版される印刷本『イタリアの技法に拠る二様の帳簿での簿記』を解明して,筆者なりの卑見を披瀝することにしたい。 |
ja |
dc.language.iso |
jpn |
ja |
dc.publisher |
西南学院大学学術研究所 |
ja |
dc.title |
ドイツにおけるイタリア簿記の再生-Gamersfelder, Sebastian1570年- |
ja |
dc.contributor.transcription |
ヒジカタ, ヒサシ |
ja-Kana |
dc.contributor.alternative |
Hijikata, Hisashi |
en |
dc.publisher.alternative |
Seinan Gakuin University Academic Research Institute |
ja |
dc.type.niitype |
Departmental Bulletin Paper |
ja |
dc.identifier.jtitle |
西南学院大学商学論集 |
ja |
dc.identifier.volume |
53 |
ja |
dc.identifier.issue |
3・4 |
ja |
dc.identifier.spage |
25 |
ja |
dc.identifier.epage |
79 |
ja |
dc.textversion |
publisher |
ja |
jpcoar.creatorAffiliation.nameIdentifierKakenhi |
37105 |
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