宮川, 由衣
(西南学院大学博物館Seinan Gakuin University Museum, 2020-03)
1614(慶長19)年に徳川幕府による禁教令が出されたのち、1873(明治6 )年にキリシタン禁制の高札が撤去されるまで、およそ250年にわたってキリシタンの迫害と潜伏の時代が続いた。この間、キリシタンたちは表面上仏教徒であるように装い、中国また
は国内で作られた白磁製などの観音像を「ハンタマルヤ」と呼び、密かにこれを信仰の拠りどころとした。これらの像は一般的に「マリア観音」と呼ばれている。今日、各地の博物館で「キリシタン資料」と称さ ...