仲澤, 幸壽
(西南学院大学学術研究所Seinan Gakuin University Academic Research Institute, 2012-03)
この論文は,Akerlof=Kranton(2010)によるアイデンティティが行動規範形成に占める重要性の指摘と,Akerlof=Shiller(2009)による貨幣錯覚による名目価格重視の必要性の指摘とを統合した行動モデル構築の可能性を検討するものである.彼らの指摘の主要なものは,社会的属性(アイデンティティ)が消費行動等を規定する規範形成という側面を持つこと,職業選択等によってアイデンティティもある程度は選択可能であること,規範から ...