抄録:
シャボン玉などに見られる薄膜による光の干渉は高校物理の学習テーマの1つになっているが、実験実習までは行われていない。一方、我々は、小型マルチチャンネル分光器を用いた実験装置を製作して、干渉スペクトルの測定からシャボン玉やセッケン膜の膜厚が精度良く決定できることをすでに報告している。シャボン玉やセッケン膜の膜厚の測定法を自然科学教室や高校物理の実験教材として普及させるためには、廉価版の実験装置の製作や実験メニューの確立などいくつかの克服すべき課題が残っている。そこで本研究では、懐中電灯を用いて安価で手軽な分光系を構築することで、シャボン玉の膜厚測定の実験コストの低減を図った。更に、シャボン玉の膜厚測定を高校物理の実験教材として提供するための教授法についても検討を行った。