34号(2015年)

 

このコレクションのアイテム

  • 太田, 菜都美 (西南学院大学大学院Seinan Gakuin University Graduate School, 2015-01)
    エマニュエル・ボーヴ(1898-1945)の『罠』(1945) の評価は大きく二つにわけることができる。一つは「ヴィシー政権下のフランスを的確に描写した」歴史小説,戦争文学としての価値を讃えたものであり,もう一つは「個人の主観の限界」という20世紀的命題にしてボーヴの長年のテーマであるものの探求の,一つの到達点であるとするものである。前者はボーヴの「表象」の精緻さの賞賛であり,後者は「表象」の限界の告発を賛美している。本論では,こうした ...
  • 橋本, 政子 (西南学院大学大学院Seinan Gakuin University Graduate School, 2015-01)
    『ルーゴン=マッカール』叢書第12巻の『生きる歓び』は1884年に刊行されたが,最初の構想から3年間の中断の後,筋書きや舞台背景の変更が加えられ完成した。心理的,哲学的作品にするという意図は1880年の第一準備草稿からあった。しかしゾラの現実の生活において,母親の死,文学の師であったフロベールの死,友人デュランティー,ツルゲーネフやマネの死に遭遇し,心気症(hypochondria)やペシミスムの苦しみで中断されていたのである。この作品 ...
  • 村上, 舞 (西南学院大学大学院Seinan Gakuin University Graduate School, 2015-01)
    我々はこれまでの論文において,コレット作品の女性主人公が,いかにして異性愛の破綻から脱出し,自然・動物へ傾倒し,そこに生きる道を見出していくかという過程に注目し,そのヴァリエーションとして,『ミツ』,『さすらいの女』,『私の修行時代』,『夜明け』を取り上げてきた。本稿では,同じテーマを持つLa Retraite sentimentale が,異性愛から自然へと向かうこれら一連の作品群の中で,どのような位置づけとなるか考察したい。

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