抄録:
西南学院史の主要な史料は35のボックスに保存されている。その中の第1ボックスに付けられている名称は、「学院史・年表・申請許可・沿革一覧」である。さらに、この第1ボックスの冒頭に置かれているファイルが「学院史編集室史」である。つまり、35のボックスに保存された実に多くの西南学院史関連史料の中で、その冒頭に置かれているのが「学院史編集室史」なのである。この事実には、『西南学院七十年史上巻・下巻』を作成した関係者の「学院史編集室史」に保存された史料に対する強い思いが表されていると見られる。それはともかくとして、今後「西南学院百年史」の編纂作業に取り掛かっていくことになれば、このファイルに収められた史料から学ぶべき事柄は多いと考えられる。西南学院史の史料研究を「学院史編集室史」から始める理由はここにある。「学院史編集室史」に収められた史料を年代で見ると、1950年代半ばから1990年代半ばである。要するに、西南学院の「創立五十年史」作成に取り組んだ記録、「創立六十年史」作成に取り組んだ記録、「創立七十年史」作成に取り組んだ記録、そして「創立七十年史」以降の学院史編集関連の記録が保存されている。これら史料の全体像を明らかにすることから始めたい。