栗山, 雅央
(西南学院大学言語教育センターSeinan Gakuin University Center for Language Education, 2019-03)
本稿は、日本と中国の辞賦文学研究、とりわけ21 世紀以降の状況について、その差違を幾つかの観点より概観したものである。というのも、筆者は大学院進学より中国に固有の長篇の韻文形式である「辞賦」に関する研究に従事してきたが、その当初はこれを研究対象とした学会発表や論文を見かけることがさほど多くなかった。そのために、日本の辞賦研究は長く停滞期にあったと認識していたが、それが中国では当てはまらないということを、2011 年から2013 ...