Abstract:
本稿は「複式簿記会計への進化」と題する論文の中段である。前段は本誌(『商学論集』(西南学院大学),54巻3号)に公表したところである。複式簿記から「複式簿記会計」へと進化する,まさに接点にある問題は「年度決算書」。財産目録と貸借対照表は,どのように作成されたか,「単式簿記」の帳簿とは,どのように関わったか,さらに,「複式簿記」の帳簿とは,どのように関わったか,この問題を解明することによって,筆者がこれまでに模索してきた問題,会計制度,会計理論と「複式簿記」の関わりを整理して,筆者なりの卑見だけでも披瀝しておくことにしたい。