ドイツにおけるイタリア簿記の展開（Ⅲ）－Sartorium, Wolffgangum１５９２年－

Abstract

本稿は「ドイツにおけるイタリア簿記の展開」と題する論文の後段である。前段は本誌（『商学論集』（西南学院大学），５２巻４号）に，中段は本誌（『商学論集』（西南学院大学），５３巻１号）に公表したところである。複式簿記としては，ドイツに移入されることによって，イタリア簿記は，はたして展開されたか，展開されたのはどこかについて，１５９２年にSartorium, Wolffgangumによって出版された印刷本『プロシアの貨幣単位，寸法単位と重量単位に拠る二様の帳簿を持つ簿記』を解明して，筆者なりの卑見を披瀝することにしたい。