抄録:
「隠喩」(metaphora)は,非本来的な意味へと適応される語の転用である。たとえば,類から種への,種から類への,ある種から他の種への,あるいはまた,類比に即して〈kata to analogon〉の転用である」(アリストテレス『詩学』1457b 21)「わたしは口を開いて譬を語り,いにしえからの謎を語ろう」(旧約聖書『詩篇』78)「隠喩的なものは,形而上学の内部にのみ存する」(ハイデガー『根拠律』)「隠喩はしたがって,いつもその死を自分自身のうちに宿している。そしてその死はまた,疑いなく哲学の死でもある」(J・デリダ『哲学の余白』-白けた神話-)「エスのあったところで,自我は生成しなければならない」(フロイト『続・精神分析入門講義』第31講義-精神的人格の解体-)