Abstract:
以下、本号に掲載した論文「ジョン・キーツを恋うる歌」(pp.1-69)において、脚・補注に収まりきれなかった次の四つの事項を検証しておきたい。(a)<もの>について (b)"Wise Passiveness"(Wordsworth)と"Negative Capability"(Keats)について (c)<位相空間>について (d)<都会>の表象 それらは、必ずしも、Keatsに限るものではなく、本論から焦点が大きく逸れてしまう感じもするのであるけれど、逆に言えば、これのみで読むに耐えうる(か?)のように、工夫もしている。ここでは広くロマン派の<自然詩>を読む際のキー・ポイントと思われるものをメモしてみた。そして、この四つの事項がバラバラに独立したものではなしに、密接な関連を持ったものであることも、付記しておく。(以下、文中で、<本論>という言葉が出てくるが、それは上記の論文のことである。)