Abstract:
2016年度から西南学院大学のキリスト教学Ⅰ・Ⅱを担当している。教える立場にありながら,「受講生の声(感想,意見,質問,要望)」から,さまざまな気付きの機会を与えられてきた。
そのような気付きの中から,受講生と講師との間に生じている基本的な認識のずれについて考察する。この事実は大学にとどまらず,日本社会の中でキリスト教がどのように捉えられており,どのような認識のずれが生じているのかを示唆している可能性がある。
そのために,まず授業(キリスト教学Ⅰ)の進め方を説明し,2018年度の第1回授業および第2回授業に対する「受講生の声」を紹介する。その中から注目したポイントについて,どのように対応したかを説明する。最後に,受講生と講師との間に基本的な認識のずれが生じた原因について検討する。
塩野和夫教授(西南学院大学国際文化学部)には,授業の進め方や論文執筆について指導いただいた。また,日本における宗教意識については湯川洋久氏に,中国のキリスト教事情については松谷曄介牧師(筑紫教会)に教示いただいた。