抄録:
本研究は授業研究、特に質的な授業分析がカリキュラム研究にどのように貢献できるのか、その可能性について探るものである。筆者は、授業研究にはカリキュラム研究と相対的に独立した固有の役割・意義があると考えているが、これまで、生活科や社会科で同一単元での授業を連続して分析して、カリキュラム展開や評価に関する研究を試みた。今回、研究対象として総合的な学習を取り上げ、単元レベルでどのようにカリキュラムが展開されているのか(学習内容がいかに生成・発展しているのか)、質的な授業研究を通して明らかにしたいと考えた。