仲澤, 幸壽
(西南学院大学学術研究所Seinan Gakuin University Academic Research Institute, 2009-07)
階層型効用関数の特定化によって,需要の価格弾力性が1未満で一定の市場と1より大になる市場とが併存する状況を導出し,マークアップ原理による価格形成が必然的になる市場モデルの例を提示する。弾力性が1より大の場合には,独占企業の価格形成であっても費用条件でのみ価格が決定され,マークアップ原理と同値のものとなる。弾力性が1未満の場合では独占的価格形成が意味をなさなくなるが,マークアップ原理による価格形成を採用するならば不完全競争市場も存在可能に ...