抄録:
本研究では、我が国の保育に関わる約150年に及ぶ歴史を紐解くことにより、『保育一元化』・『幼保一元化』・『幼保一体化』の3つの相違点を明らかにし、歴史的・社会的視点に立って、就学前教育における保育理念・保育制度・保育内容・保育方法等の在り方を見直し、これからの保育者養成と保育現場の望ましい保育指導の在り方の示唆を得るため、総合的に再検証することを目的としている。本テーマである『保育一元化』とは、守屋光雄による保育理念に基づく、理論と実践の両立を目指し、1969(昭和44)年に、幼稚園と保育所の一元施設である北須磨保育センター(神戸市)に設立したことに遡ることができ、西南学院の保育所(早緑子供の園)と幼稚園(舞鶴幼稚園)との関係も、「幼保一元化」への歴史的変遷に影響を受けてきたと推察できる。今回の『西南学院史』において授業を担当し、「保育史からみた西南学院の歩み」と題し、ライフワークである保育一元化に関する研究を総括する機会が得られ、創立100年の西南学院の歴史と対応させながら授業で紹介することができ、「保育史からみた西南学院の歩み」をテーマとした授業において準備・提供してきたパワーポイントのスライド内容を見直し、総合的に検証し総括する新しい研究の手法を用いることにした。