楊, 華
(西南学院大学学術研究所Seinan Gakuin University Academic Research Institute, 2017-02)
松本清張は明治四十二年に北九州市小倉で生まれ,昭和二十六年,処女作『西郷札』が『週刊朝日』の「百万人の小説」の三等に入選,第二十五回直木賞候補となった。昭和二十七年,『ある「小倉日記」伝』を発表し,第二十八回芥川賞を受賞した。昭和三十二年『点と線』,『眼の壁』の発表によって,日本では爆発的な「清張ブーム」が起こった。この頃,松本清張は社会派推理小
説家としての地位が確立された。「清張以後」という言葉があるように,松本清張の文壇登場以来, ...