野副, 常治
(西南学院大学大学院Seinan Gakuin University Graduate School, 2016-02)
社会保障制度は、元々貧困の予防と救済を目的に創設された制度である。その始まりは15世紀以降のイギリスで行われていた救貧活動である。当時のイギリスでは、エンクロージャーによる囲い込み政策によって土地を失った多くの農民が都市部へと流れた。この急速な都市部への人口流入は、多くの貧困層を生む要因となり、こうした状況を救済するために、教会や修道院が行っていた救済活動を当時の行政が統合し、そこで成立した救済政策が救貧法である。この救貧法の大きな特徴 ...