福永, 俊輔
(西南学院大学学術研究所Seinan Gakuin University Academic Research Institute, 2015-10)
二一世紀に入った二〇〇一年以降、刑法典の改正は実に十五回を数え、ほぼ毎年のように改正が行われている現状にある。かつて「ピラミッドのように沈黙」していると評され、遅々として進まなかった刑事立法は、その様相を一変し、現在は、まさに「立法の時代」にあるといえよう。二〇〇一年以降の一連の刑法典改正の中心に据えられているのが自動車運転に係る死傷事犯対策であることは、その改正内容が如実に物語る。すなわち、二〇〇一年改正において、悪質・危険な運転行為 ...