仲澤, 幸壽
(西南学院大学学術研究所Seinan Gakuin University Academic Research Institute, 2015-06)
日本経済の長期停滞への対応策として金融緩和によるインフレ・ターゲットを目指すいわゆるリフレーション政策がとられて2年以上になる.その成否の判断は現時点では難しいが,最近になって長期停滞の要因の1つに経済格差を指摘する議論が登場してきている.なかでも,Piketty(2013)による資本主義経済では格差が必然であるという指摘は,世界的に議論の対象になっている.日本においても,須藤・野村(2014)が出版され,資本の生産性の低下と格差
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