Abstract:
「群読を用いる」と言えば,まず文学的な文章の学習場面を想像するのが普通だろう。それを「説明文にも使いたい」などと言うならば,およそ国語科にお詳しい先生方ほど,怪訝そうなお顔をされるに相違あるまい。むろん,説明的な文章全般の指導に群読の方法が有効である,などと言いたいのではない。が,こと「身体論」のような素材の学習にあたっては,「実際に声を出す」ことを主要な活動とする学びの場が構想されても良いだろう。小稿に取り上げる「大きな力を出す」や「動いて,考えて,また動く」などは,そのような想を練る上で恰好の素材の一つである。