戸江, 千枝
(西南学院大学大学院Seinan Gakuin University Graduate School, 2015-01)
「租税債務の認識にあたって、課税要件事実が真実存在するか否かを出発点とする」という実体的真実主義の原則は、憲法を根拠とする租税法律主義の当然の帰結であり、厳格な法解釈によって課税がなされるべきであるということを、いわば根本で支える原則であろうと考える。納税者の権利を守るために重要な前提となる。申告納税制度を採用するわが国において、まずは法令の解釈を納税者がおこなうわけであるが、法令そのものが大変複雑な現実にあっては、事後に課税の誤り(申 ...