抄録:
動詞+結果補語を持つ構文( 以下VR 構文) は(A)“ 武松打死了老虎” の“ 打死” のように主語の動作が目的語に何らかの影響を与えるという使役的な意味を表すもののほかに(B)“你看完这本杂志了吗? ” の“ 看完” や(C) “ 他喝醉了” の“ 喝醉” のように非使役的な意味を表すものも存在する。一方,英語では中国語のVR構文に相当する(D)“John hit the metal flat” のような結果構文は(A)と同様に使役的な意味を持つもののみである。本稿では,英語の結果構文は使役的な意味のみであるのに対し,中国語ではVR構文が使役的な意味から非使役的な意味まで表せる仕組みの考察を行い,中国語教育における補助的な役割を目指すものである。