後藤, 新治
(西南学院大学学術研究所Seinan Gakuin University Academic Research Institute, 2006-05)
「御主の御パシヨンの御ことを観じ奉らん時は,受け給ふほどの苦痛・逼迫・御恥辱は我故なりと思ひ取り奉るべし。故如何となれば,一切人間のために苦しみを受け死し給ふといへども,ただ我一人のために死し給ふほどの御恩なり。」「御パシヨンの観念」「しかる所に道にてべろうにかといふ水くみにゆきあい,此もの御身にあわれをくわへ,御いたわしやと,御血の汗をぬぐいて,水をさし上,御身いたゞき,悦で飲みたもふ。いかなるものか忝。一度はたすけゑさすべし。さて, ...