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イタリア簿記の原型-Pacioli, Luca1494年-

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dc.contributor.author 土方, 久 ja
dc.date.accessioned 2014-09-02T10:39:02Z
dc.date.available 2014-09-02T10:39:02Z
dc.date.issued 2004-09
dc.identifier.issn 0286-3324
dc.identifier.uri http://repository.seinan-gu.ac.jp/handle/123456789/530
dc.description.abstract 「複式簿記」については,1494年にPacioli, Lucaによって出版される印刷本『算術・幾何・比および比例全書』(”Summa de Arithmetica GeometriaProportioni et Proportionalita“, Venezia.)が世界に現存する最初の印刷本。この印刷本の第Ⅰ部,第9編の第11論説「計算と記録の詳説」(Particularisde Computis et Scripturis)に解説される。しかし,Paciolo自身によって発明されたわけでは決してない。Pacioloは表現する。「ベネツィアで使用される技法,これ以外の地方でも非常に推奨される,この技法こそを採用したい」と。すでに,複式簿記はイタリアの都市ないし地方の商人によって実践される。たとえば,今日に保存されるジェノアの「財務官の帳簿」,この1340年のみ記録される帳簿を論拠にする「ジェノア説」,また,今日に保存されるシャンパニュの「Rinieri Fini兄弟商会の帳簿」,この1296年から1305年まで記録される帳簿を論拠とする「トスカーナ地方説」,さらに,今日に保存されるミラノの「Del Maino銀行の帳簿」,この1394年から1400年まで記録される帳簿を論拠とする「ロンバルディーア説」として実証されるほどである。もちろん,ベネツィアが,当時,商業の興隆を誇ったイタリアの都市であってみれば,複式簿記はこのベネツィアの商人によっても実践されたにちがいない。したがって,Pacioloは,このベネツィア商人によって実践される複式簿記をまとめ,世界に現存する最初の印刷本を出版したわけである。これに対して,ドイツに現存する最初の印刷本は,Pacioloによって出版される印刷本に遅れること約4半世紀,1518年にGrammateus, Henricusによって出版される印刷本『新しい技術書』(”Ayn new kunstlich Buech・・・“,Erfurt.)。この印刷本の1編「商人の仕訳帳,商品帳および金銭帳による簿記」に解説にされる。これから約4半世紀の間,1531年には,Gottlieb, Johannによって,印刷本『ドイツの明解な簿記』(” Ein Teutsche verstendigBuchhalten・・・“, Nürnberg.),1538年には,von Ellenbogen, Erhartによって,印刷本『プロシアの貨幣単位と重量単位に拠る簿記』(”Buchhalten auffPreussische müntze und gewicht・・・“, Wittenberg.),1546年には,これまた,Gottliebによって,印刷本『簿記,二様の精巧かつ明解な簿記』(”Buchhalten,Zwey künstliche vnnd verstendig Buchhalten・・・“, Nürnberg.)が出版される。しかし,Pacioloによって出版される印刷本を原型とするイタリア簿記がドイツに移入されるのは,これに遅れること約4半世紀,1548年にSchweicker,Wolffgangによって出版される印刷本『複式簿記』(”Zwifach Buchhalten・・・“,Nürnberg.)が,それである。事実,Penndorf, Balduinは表現する。「これまでの著作にイタリア人が影響を与えたにしても,わずかであるか,全く影響を与えてはいない。しかし,わずか数年後の1549年には,Pacioloの論文を完全に模範とする著作が出版される。Schweickerの著作『複式簿記』が,それである」と。そうであるとしたら,イタリア簿記が移入されるまでの約半世紀の間,複式簿記としては,「ドイツ固有の簿記」が存在していたことになる。それでは,どのように生立して,展開かつ発展されたかについて,したがって,複式簿記としては,どこがドイツ固有の簿記であるかについて解明しておかねばなるまい。さらに,このドイツ固有の簿記が今日の複式簿記に,どのような影響を与えたかについても,したがって,Pacioloによって出版される印刷本を原型とするイタリア簿記とは,どのように交渉したか,さらに,どのように融合したかについても解明しておかねばなるまい。そのために,複式簿記としては,どこがイタリア簿記であるかについて,したがって,Pacioloによって出版された印刷本を原型とするイタリア簿記を解明しておかねばならない。もちろん,「ジェノア説」,「トスカーナ地方説」,「ロンバルディーア地方説」としても実証されるので,「ベネツィア説」として実証される,Pacioloによって出版された印刷本を「イタリア簿記の原型」とすることには,異論があるかもしれない。しかし,複式簿記としては,Pacioloによって出版された印刷本こそが世界の国々,たとえば,イタリアはもちろん,ネーデルラント,フランス,イギリス,ドイツに伝播したことから想像するに,これをイタリア簿記の原型として解明することに異論はあるまい。そこで,複式簿記としては,どこがイタリア簿記であるかについて,1494年にPacioloによって出版される印刷本『算術・幾何・比および比例全書』の第Ⅰ部,第9編の第11論説「計算と記録の詳説」を解明して,筆者なりの卑見を披瀝することにしたい。 ja
dc.language.iso jpn ja
dc.publisher 西南学院大学学術研究所 ja
dc.title イタリア簿記の原型-Pacioli, Luca1494年- ja
dc.contributor.transcription ヒジカタ, ヒサシ ja-Kana
dc.contributor.alternative Hijikata, Hisashi en
dc.publisher.alternative Seinan Gakuin University Academic Research Institute ja
dc.type.niitype Departmental Bulletin Paper ja
dc.identifier.jtitle 西南学院大学商学論集 ja
dc.identifier.volume 51 ja
dc.identifier.issue 2 ja
dc.identifier.spage 1 ja
dc.identifier.epage 44 ja
dc.textversion publisher ja
jpcoar.creatorAffiliation.nameIdentifierKakenhi 37105


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