日原, 広志
(西南学院大学学術研究所Seinan Gakuin University Academic Research Institute, 2013-03)
本論は「自然災害とキリスト教信仰」という今日的主題に関する、旧約学の立場からの一つの神学的黙想である。それは具体的には、従来十分に注意が払われて来たとは必ずしも言い難い創世記2章20節bにおける「人」の冠詞脱落から始まり、被造物を主役に創造物語を2章から1章へ逆に読んでいく方向を採る。この順で読む理由は、従来2章4節b以降の創造物語はヤハウェ資料(J)に属し、1章の祭司資料(P)より古いと考えられてきたからである。この神学的黙想は、2章 ...