貞清, 世里
(西南学院大学博物館Seinan Gakuin University Museum, 2013-03)
法起寺式伽藍配置(以下、法起寺式)は一般的に、一塔一金堂式で回廊内の東に塔、西に南面する金堂を配するものと定義される(図 1 )。法起寺式をとる古代寺院は日本全国の広範囲に分布していることが知られており、その初出は奈良県の法起寺であると
考えられている(菱田2005、石松2007、森2008など)。法起寺式をとる寺院のもつ性格については、先学によって塔と金堂を並置すること、塔の西に金堂が位置することなどから、西方浄土の阿弥陀如来を金堂に ...