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  • 尾上, 修悟 (西南学院大学学術研究所, 2016-09)
    ツィプラス政権は,シリザのマニフェストで明らかにされたように,欧州と決別するつもりはなかった。かれらは,あくまでもユーロ圏に留まることを前提として,これまでに遂行されてきた緊縮政策から脱出し,自律的で内発的な構造改革を推進することを意図した。その上で債権団に対して金融支援を求めること,これがツィプラス政権の基本的なねらいであった。果して,それはスムーズに達せられたであろうか。そこには様々な問題が潜んでいた。首相のツィプラスにしても財務相 ...
  • 尾上, 修悟 (西南学院大学学術研究所, 2015-12)
    ギリシャは周知のように,巨額の公的債務を抱えたことから,2010年以来,再三にわたってディフォールトの危機に晒された。それを回避するために,ギリシャはEU,ECB,並びにIMFから成るいわゆるトロイカ体制によって金融支援を受け,それと引換えに厳しい引締め政策と構造改革を強いられた。ギリシャの一般市民の生活は,この5年間で困窮ぶりを極めた。失業の増大や賃金・年金の減少は,一挙に人々を貧困に追い込んだのである。それは,ほとんど人道的危機とも ...
  • 尾上, 修悟 (西南学院大学学術研究所, 2014-03)
    先の稿で明らかにしたように,欧州理事会は,「安定・成長協定(SGP)」を様々なねらいの下に改訂した。その1つの大きなねらいが,従来不十分とみなされてきた,成長の重視と,景気の非対称的ショックの回避であった。そして,そうした目標を達成するための1つの条件として,それまでの財政規律に,構造的赤字の制限を加えたのである。構造的赤字の概念は,後に詳しく論じるように,もともと,購買力平価などの概念と同じく,あくまでも理論的に想定されたものであり, ...
  • 尾上, 修悟 (西南学院大学学術研究所, 2014-06)
    マーストリヒト条約をめぐる議論の中で見られた 1つの争点は,欧州が,連邦的規模での予算を十分に与えること無しに,単一通貨を果して採用できるのか,という点であった。少なくとも,加盟国の景気変動から生じる非対称的ショックを吸収できるような,景気安定のためのメカニズムが想定されねばならないのではないか。この点が問われたのである。そうした問題提起は,欧州内と同時に,域外とりわけ米国の中でも,P.クルーグマン(Krugman)らの著名な経済学者達 ...
  • 尾上, 修悟 (西南学院大学学術研究所, 2014-03)
    今日の欧州のソヴリン・リスクは,周知のように,銀行危機と密接に結びついている。したがって,欧州にとり,危機から脱出するためには,まずもって,この両者の連関を遮断する必要がある。銀行危機の解消は,その前提となる。とりわけ,欧州における銀行危機は,深刻な問題を引き起こす。欧州の金融システムの中核に,依然として銀行が据えられているからである。しかも,それらの銀行は,大銀行を中心にユニヴァーサル・バンクの形をとる。それは,通常のリーテール・バン ...
  • 尾上, 修悟 (西南学院大学学術研究所, 2014-06)
    ユーロ危機の要因として,域内の経常収支不均衡や競争力格差,あるいは競争力不足,などの点がこれまで度々指摘されてきた。しかし,それらが,ユーロ崩壊の直接的契機になるか,と言えば決してそうではない。さらに,そうした諸問題が仮に解消されれば,欧州は危機から脱出できるか,と問えば,これも定かでない。むしろ,ここで最も恐れるべき点は,一触即発的にユーロ圏を崩壊させてしまうメカニズムが,欧州に潜んでいる,という点である。それは,ファイナンシャル・タ ...
  • 尾上, 修悟 (西南学院大学学術研究所, 2014-12)
    フランスのミッテラン(Mitterrand)社会党政権は,その成立当初より,欧州建設をいかに推進するか,という課題を抱えていた。ここでフランスは,伝統的精神を成す国民主義的志向と,欧州統合を支える超国民主義的志向をどのようにバランスさせるかが問われた。そしてその第2次政権が開始されると,今度は,フランスが経済・通貨同盟の設立を主導し,そこにおける自身の役割をいかに高めるか,という点が大きな課題として浮上する。フランスはそこで,当同盟の基 ...