吉岡, 慎一
(西南学院大学学術研究所Seinan Gakuin University Academic Research Institute, 2014-12)
OECD による所得不平等についての比較研究であるOECD(2008,2011)において,2008年までの約30年間OECD諸国における所得格差が拡大を続け,過去最大に達していることが報告された。長期のデータ系列が利用できるOECD22カ国中17カ国でジニ係数が上昇し続けているのである。近年の世界的経済危機の始まりまでに,OECDの大多数の国で家計所得の上位10%の所得上昇率が下位10%の所得上昇率を上回ったことが貧富の差の拡大の原因の ...