佐藤, 友梨
(西南学院大学大学院Seinan Gakuin University Graduate School, 2016-02)
エーリッヒ・フロムはその著書『自由であるということ』 の中で旧約聖書における神・人・歴史観を再解釈し、人間存在における自由という概念を提起している。フロムの代表作は1941年に刊行された『自由からの逃走』であり一貫して自由ということが主題となっている。第一次世界大戦後古い君主政治から新しいデモクラシーに代わって、人々は自由を手に入れたはずなのに、またしても新しい強力な権力〈ファシズム〉に服従し始めたのは何故かという問題意識がフロムの著作 ...