貞清, 世里
(西南学院大学博物館Seinan Gakuin University Museum, 2020-03)
わが国では、7 世紀後半に古代寺院の数が爆発的に増加することが『扶桑略記』などの史料によって知られており、古代寺院の遺構は東北地方から九州地方にいたるまでに広く分布している。仏教寺院は、寺の本尊を祀る金堂、釈迦の骨である舎利を安置する塔、経を講じる堂である講堂を中心として、僧侶の居住する僧房、鐘を懸ける鐘楼、経典を収める経楼などの建物によって構成され、その配置を伽藍配置とよぶ。わが国における古代寺院
の伽藍配置は、飛鳥寺式伽藍配置、四 ...