奈須, 祐治
(西南学院大学学術研究所Seinan Gakuin University Academic Research Institute, 2016-03)
本稿は,ジョン・ポール・スティーブンズ(John Paul Stevens)の法理論を検討する予備作業として,そのバイオグラフィを描出するものである。スティーブンズは1975年12月19日から2010年6月29日まで,34年を超える長期にわたって連邦最高裁の陪席判事を務めた。なぜこのアメリカの一判事を日本で紹介する必要があるのか。これにはいくつかの狙いがある。まず,日本の憲法学におけるアメリカ法研究はかなり蓄積しているものの,個々の裁判 ...